今年3月の日経新聞に、
『活路は海外? 静かに増加、「日本を離れる」女性たち』というタイトルで、
永住者が増加に関する記事が掲載された。
移住サポートという仕事をしている私にとって、
とても興味深い内容だったのでじっくり読んだ。
そして感じたこと。
それは自分が日々仕事を通して、
クライアントの方々から寄せられている内容と、
完全に一致しているということ。
ネット上にはあいも変わらず、
日本はまだまだ大丈夫という楽観論が流れている。
でも実態は急速に進む少子高齢化によって、
社会全体が音を立てて軋んでいるのを、
少なからぬ人々が気づいている。
30年も変わらない賃金と物価。
そして同時に進行している円安によって、
日本はどんどん貧しくなっている。
その先に待っている未来が楽観できないことは、
少し冷静に考えれば誰にでもわかるはず。
そしてその事実に気づいている人が、
その未来を生きる場所を日本の代わりに、
海外に見出すのは自然な流れだろう。
特にジェンダーギャップが一向に改善せず、
社会の中で苦しい立場に立つ女性が、
そう考えるのは当たり前かもしれない。
移民が多いNZで暮らしていると、
海外で暮らすということは決して、
夢物語でなく現実的な選択だと気づく。
自分のスキルが活かせる国で、
もっと豊かに暮らしたいと思うのは、
きっと皆同じはずだ。
問題なのは日本にいる人で、
それができる人が極端に少ないということ。
そして日本ほどいい国はないと、
海外を経験したことのないままに、
盲目的に信じ込んでいる人が多いということ。
永住は一つの選択肢にすぎないのに、
それがとてつもなく遠く感じられるのは、
先進国の中では日本くらいではないか。
そう考えると日本の未来が不安になり、
人々の目が強制的に外に向けられるのは、
いい傾向なのかもしれない。
もっと多くの人が世界を知り、
外から日本を見つめるようになって初めて、
国内問題の解決策も見つかるのでは。
最近、そんな気がしてならない。
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